もっとみなみおおさか



2007年 秋号


■ 住之江区大規模災害合同訓練開催
■ 今、注目されている栄養管理


 ■ 住之江区大規模災害合同訓練開催される。


今年も住之江区大規模災害合同訓練を行いました。
9月8日(土)、恒例になりました大規模災害合同訓練を住之江区医師会、住江消防署、住之江警察署、住之江区役所、加賀屋東連合町会、南大阪病院合同で実施いたしました。
今年の災害想定は競艇場内で原因不明の爆発による集団災害です。住之江消防署内にエアーテントを張り、住之江区医師会の先生方と南大阪病院看護師、事務員がチームとなり、レスキュー隊と地域防災リーダーが救出してきた人たちの一次トリアージを実施して、救急車、多目的車・パトカーなどの緊急車両で南大阪病院に搬送し、病院では二次トリアージを実施して模擬治療・患者情報収集などを行いました。
模擬患者役は加賀屋東連合町会の皆様に毎年迫真の演技を行っていただいています。また、特殊メイクはECCアーティスト専門学校特殊メイクアップアーティスト専攻科の先生と生徒20数名が、迫力あるメイクを実施いたしました。
南大阪病院は、災害発生時に素早く対応できるよう、これからも地域の皆様と一緒に訓練に励んでまいります。

  


写真はすべて、平成18年9月9日の訓練写真です。


■ 今、注目されている栄養管理  ・・・・・チーム医療・・・・・

最近メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)についてマスコミなどで話題となっていますが、しかし実際には、入院患者さんの約半数は入院時には栄養不良の状態にあるとされています。
日本では、今までどの病院でも薬や手術といった治療に重点をおいて、栄養管理にあまり目を向けていなかった傾向があります。
患者さんに栄養不良があると、キズが治りにくい、感染しやすい、褥瘡ができやすい、筋力や活力が落ちる、重要な臓器の機能が低下するなどの問題を生じます。その結果、病気が治りにくい、手術後の回復が遅れる、感染症などの合併症が発生しやすいなどの理由で予後不良になりやすくなります。

NSTNutrition Support Team:栄養サポートチーム」という言葉を皆さんはご存じでしょうか?
毎日の栄養無くしては、我々人間は生きていけません。
入院時の栄養が不十分では、どんなにいい治療を行っても効果は半減します。
しかし、担当医だけの力では患者さんの栄養を管理するのは意外と困難なことです。
NSTの発祥はアメリカのシカゴで、1970年に医師、栄養士、薬剤師などの代謝・栄養学の専門家たちが、専門的な栄養管理チームの必要性を唱えたのが始まりとされています。
70年代当時、アメリカでは栄養状態のよくない入院患者さんが多く、そのような患者さんは「回復が遅い、合併症を併発しやすい、死亡率が高い」ことが報告されていました。
そのことにより、すべての患者さんの栄養管理を適切に行う必要性が強く認識され、そのためにも、医師だけでなく コ・メディカルスタッフも含めたチーム医療が提唱され、80年代に多くの病院で普及し実績を積み重ねていきました。
NSTの役割は患者さんの栄養状態を把握し、適切な栄養投与(経口栄養・経腸栄養・静脈栄養)で栄養を補給し、全身状態を改善することが目的です。
戦前の日本では粗食が普通で、たかが栄養と思われる傾向が現在でもあります。では栄養不足状態では何が困り、なぜ栄養管理が必要なのでしょうか?

※栄養不足状態では
  • 手術や火傷、外傷、床ずれなど、創傷の治癒回復の遅れや悪化
  • 手術後の合併症が発生しやすい
  • 免疫力の低下を起こすことによる感染症の増加と悪化
  • しだいに筋肉が落ちることで、日常生活の動作や生活の質の低下などを招く
などが挙げられます。
※なぜ栄養管理が必要なのか?
  • 人間は老若男女に関わらず誰でも食事をしています。
  • 体の大きさが違えば必要なエネルギー量なども当然変わってきます。
  • 運動量が多い職場で筋力を使う人と、デスクワークの多い人では必要な食事の量は違います。
  • 体の大きさや年齢や病態によって必要な栄養の量はまったく異なります。
  • 個人によって体のサイズも違えば性別も違います。
  • 自分と他人では食事が全く同じはずがありません。
医療の現場でも同じことがいえます。
栄養管理を患者さん個々の症例や各疾患治療に応じて適切に実施することを栄養サポートといいます。この栄養サポートを職種の壁を超えて実践する集団(チーム)がNSTです。
また、栄養が偏ったり不足してりする場合には治療効果も異なってきます。感染や合併症の頻度が増すことが知られています。
※NSTの役割は
医師、看護師、栄養士などのコメディカルおよび事務スタッフが力を合わせて、患者さんに適切な栄養管理を行うチームのことです。主な役割は次のような点が挙げられます。
  • 栄養アセスメントを行い、栄養管理が必要かどうかを判定します。
  • 適切な栄養管理が行われているかどうかをチェックします。
  • 各患者さんに最もふさわしい栄養管理方法を指導・提言します(適切な栄養ルート[経口栄養・経腸栄養・静脈栄養]の選択)。
  • 栄養管理に伴う合併症を予防・早期発見・治療します。
  • 栄養管理上の疑問に答えます。
  • 資材・素材の無駄を削減します。
  • 患者さんの早期退院や社会復帰を助け、QOL(生活の質)を向上させます。
  • 新しい知識・技術の紹介や啓発を行います。
当院では平成17年よりNST活動を開始し、医師、看護師、栄養士、薬剤師、臨床検査技師、言語聴覚士、放射線技師、医事課事務員がチームとなって、患者さんの症状や体調に合わせたコンサルテーションで、入院日数の短縮や院内感染の減少などにつなげています。
入院患者さんの栄養状態を改善して治療効果を上げる「NST」が各地の病院に広がって、全国約9014病院(H19年3月現在)のうち、H19年2月現在で983施設が日本静脈経腸栄養学会「NST稼動施設認定証」を受けた施設です。当院でもH19年4月1日に認定を受けました。
栄養管理はすべての疾患治療に共通する最も基本的な医療で、栄養管理を疎かにすると、いかなる治療法も効力を失い、治療に伴う副作用や合併症を容易に発生させると指摘されています。逆に不確実な栄養療法は大きなリスクとなります。
南大阪病院栄養サポートチーム「NST」はこれからも患者さんの病態を、複数のそれぞれの専門医療従事者が的確に評価し、根拠のある(EBM)概念に基づいたよりよい適切な支援ができるよう、これからも努力していきます。

NSTスタッフが各患者様の状況を討議している場面です。



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