薬剤部

薬剤部の理念

チーム医療の一員として薬剤師の職能を発揮し、医薬品の安全かつ適正な使用を推進し、患者様に信頼される薬剤師をめざします

1.調剤業務

当院では、2000年10月から医薬分業を開始し、現在ほぼ100%を院外処方箋として発行しています。 また夜間の救急外来患者様への処方は全て院内の薬局で調剤していますので、24時間体制で薬剤師が薬局に常駐し対応しています。

入院調剤においては、電子カルテ導入に伴い、処方オーダリングシステムを採用しており、医師がコンピューターに投薬の指示を入力すると、その情報が薬剤部の調剤支援機器【錠剤分包機や薬袋発行機、注射薬自動払い出し機器(以下、アンプルピッカー)などに送信されます。

[内服・外用調剤]
調剤支援機器より錠剤の分包や薬袋への印字を自動で行います。 粉のお薬に関しては、散剤支援システムを導入し、薬ごとにバーコードで管理して調剤過誤対策を行っています。
また、患者様が普段服用されている薬を医師の指示通りに服用してもらうために、薬の一包化や新たな薬袋の作成を行っています。
[注射調剤]
アンプルピッカーから、患者様毎に処方箋・バーコードラベル・薬剤の入ったトレイが自動発行されます。 払い出された注射薬(アンプル・バイアル)は調剤担当薬剤師によって補液と組み合わせて最終監査を行い病棟に払い出されます。 バーコードラベルは、看護師が薬剤投与時に患者様のリストバンドとの読み込みを行うことで、誤投与防止に役立っています。

これらのシステムにより、確実でスピーディーな調剤と入院中の安全な医薬品の使用に努めています。

2.無菌調剤業務

2001年9月に無菌製剤処理の施設基準の承認を受けました。
当院では無菌調製室内のクリーンベンチで、中心静脈より投与される高カロリー輸液を全病棟の患者様対象に無菌的に調製しており、安全な栄養療法の実施に携わっています。

抗がん剤による治療は、レジメン(治療計画)を基に投与量・投与間隔・投与速度などを確認しています。抗がん剤は無菌調製室内の安全キャビネットで無菌的に調製することで、患者様の安全管理はもちろん医療スタッフへの暴露対策も講じています。

3.医薬品情報提供業務

医薬品情報提供業務は、薬品情報の収集・整理・保管を行い、医師・看護師・他の医療従事者の問い合わせに迅速かつ正確に情報提供を行い、適切な薬物治療をおこなえるようにバックアップしています。 その他、医薬品採用時の情報収集から検討までを担う重要な業務の一つです。

<1> 医薬品鑑別
医師の依頼を受けて、他院から患者様が持参した薬剤について調査し、その商品名、採用の有無、また当院の採用品と照合して依頼した医師に情報提供しています。

<2> 情報検索と資料の保管
医薬品情報検索システムとしてインターネット等を活用し、又、当院採用医薬品のインタビューフォーム、配合変化・安全性情報の資料を整理保管しています。

<3> DIニュース
厚生労働省から出されている医薬品等安全性情報やトピックス等をもりこみ、生きた情報を毎月、医局・各科外来・病棟に配布しています。

4.薬物血中濃度測定業務(TDM)

2001年5月から、測定業務を検査科に移し、薬剤部では患者デ-タ管理・解析を行っております。 また患者様個々において、綿密な投与設計の必要な薬物の血中濃度の測定値をもとに、予測値及びシミュレーションカーブを作成し、リアルタイムにその情報を臨床現場に提供しています。

5.薬剤管理指導業務(服薬指導業務)

入院患者様への薬剤師による服薬指導に対して、1990年4月より準備を開始し、1991年5月内科に対して承認を受けました。 以後、対象科を少しずつ増やし2000年6月全科の届出が受理され現在に至っています。 入院された患者様に薬を正しく理解して安全に使用していただくために、直接ベッドサイドへ伺い、処方された内服薬や注射薬の薬効、服用方法、副作用などを説明します。 同時に副作用・相互作用のチェックを行い、薬に対する不安や疑問をなくし、患者さまに安心して薬を服用して頂けるよう努めています。 退院の際にも服薬指導を行い、処方内容・アレルギー歴などを記載したお薬手帳を交付して退院後の薬物療法に対するフォローをおこなっています。

6.病棟薬剤業務

平成24年4月より病棟薬剤業務を開始しました。
まずこれから入院して治療を始めるにあたり、どんなお薬を飲んでいるのか、飲み合わせはどうか等を確認するために、お薬をお預かりして名称や効能、残り日数を調べます。 調べた内容は、入院していただく病棟での貴重な情報として治療に役立てています。
処方においては、患者様にお薬が投与される前の段階で処方内容や用法用量の確認・相互作用有無の確認などを行い、処方内容に関して医師に様々な情報提供を行うことで、より安全に効果的な薬物療法が行えるようサポートしています。
また、患者様に安心してお薬を使用していただく為に、投与前にお薬の説明に伺うこともあります。
医師や看護師とのコミュニケーションを深め、医療チームの一員として、薬剤師の視点から得られた情報を交換し患者様の治療に貢献しています。
このように、入院から退院まで患者様のquality of life(QOL)の向上に貢献できるよう努めております。

7.治験管理業務

当院では、2010年より創薬センターを設置し、医師・治験コーディネーターと連携を図りながら治験を行っています。 薬剤部では主に治験薬の管理・調剤等行っています。 新しい治験が開始になるときは説明会を行い、円滑に進むように治験コーディネーターと協力し、積極的に取り組んでいます。

8.各委員会活動

院内感染対策委員会、化学療法委員会、緩和ケア委員会、NST委員会、褥瘡予防対策委員会、医療安全管理委員会、治験審査委員会、クリニカルパス委員会など各委員会に参加し、薬剤師の立場から安全かつ有益な医療活動が行えるよう勤めています。

9.薬学生長期実務実習

「実務実習モデル・コアカリキュラム」に基づき、当院の特徴を生かした教育ができるようにカリキュラムを作成しています。 実習期間の前半は、薬剤部での業務を理解するために薬品管理、調剤、製剤、DI、TDM(薬物血中濃度モニタリング)等の講義、実務を学習します。その後、病棟担当薬剤師と共に薬剤管理指導業務、また各種担当薬剤師と共に栄養サポートチーム、感染対策チーム、緩和ケアチーム、褥瘡回診、糖尿病教室等のチーム医療を通して薬剤師として患者さんや病棟スタッフとの関わりを臨床の場で学んでいただければと思います。

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